Q1自賠責保険って何?
自賠責保険はその正式名称を「自動車損害賠償責任保険」といいます。すべての自動車。バイクを運行する場合に加入が義務付けられている強制保険の一種です。
Q2自賠責保険は誰が支払うの?
自動車の所有者が支払います。
Q3自賠責保険は誰に支払うの?
損害保険会社に支払います。
Q4自賠責保険の補償範囲は?
自賠責保険は、自動車の運転中に他人を怪我させたり、あるいは死亡させたりした場合の対人賠償を保証します。対物賠償については補償の対象外となっています。支払限度額は死亡による損害では3000万円、死亡するまでの障害による損害では120万円、傷害による損害では120万円、後遺障害による損害については最大7500万円となっています。
Q5もし自賠責保険に未加入だった場合、何かペナルティはあるの?
自賠責保険に加入せずに自動車で人身事故を起こした場合、自賠責保険から支払われるはずの賠償金をすべて自己負担しなければならなくなります。たとえば、死亡による損害では最大で3000万円が補償されますが、未加入だった場合にはこの3000万円について自分で支払わなければならなくなります。
また、事故を起こさなかったとしても、自賠責保険に未加入で走っていたことが発覚した場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。また、違反点数6点が科され、即座に免停となります。自賠責保険に入っていたとしいてもその証明書を所持していなかった場合は30万円以下の罰金となります。
Q6自賠責保険はいくらかかるの?
自賠責保険の保険料は車種や使用用途などによって異なりますが、保険会社間でに差がつくということはありません。同じ内容ならば同じ額です。契約期間は自動車によって60か月、48か月、37か月、24か月など様々な種類がありますが、基本的には契約期間が長い方が月当りの保険料は安くなります。
一例として、自家用乗用自動車の場合、37カ月契約だと保険料は40040円、24カ月契約だと27840円です。自賠責保険の保険料はたびたび改訂されており、今後も変わる可能性がありますのでお気を付けください。
Q7自賠責保険に加入しておけば万事大丈夫なの?
近年は賠償額が支払限度額を超えることもしばしばあるため、自賠責保険に加入しているだけでは不十分となるケースが多いです。そのため、多くの自動車所有者は任意保険にも加入しています。任意保険は自賠責保険の不足分を補うもので、対人賠償保険のほか、対物賠償保険(物を破損させてしまったときの保険)、自損事故保険(自分の自動車が壊れた場合の保険)、無保険車傷害保険(相手が賠償金を支払う能力がない場合に適用される保険)などから成り立っています。任意保険の内容は保険会社ごとに異なり、様々なオプションが付いてくることがあります。詳細は保険会社に確認しましょう。
Q8自賠責保険の保険会社の選び方は?
自賠責保険の内容や補償範囲、保険料などはどこの損害保険会社でも同じなので、好みで選んでしまって構いません。ほとんどの人が任意保険に入ると思いますので、その任意保険を取り扱っている保険会社と同じ会社にすると管理が楽になるかと思います。
Q9任意保険の選び方は?
任意保険の内容は保険会社によって異なりますが、最低限対人賠償保障と対物賠償保障のある保険に加入するようにしましょう。特に対人賠償は高額になりがちなので、無制限で保証してくれる保険を選んだ方がいいでしょう。
また、被保険者の補償を重視する場合には、人身損害保険に入っておきましょう。これは事故を起こした場合に治療費や休業損害等が補償される保険です。任意保険の内容は保険会社ごとにばらばらなので、必ず加入前にその内容を確認しておきましょう。
Q10任意保険の種類が多すぎて選べないんだけれど……
一括見積サービスを利用しましょう。たとえば、インズウェブでは5分の入力で最大22社から見積もりをもらうことが出来ます。補償内容を選ぶだけであなたにピッタリな保険を紹介してくれるので、おすすめです。
Q11もし事故を起こしたらどうすればいいの?
もし事故を起こしたら、まずは119番に連絡してください。被害者がいる場合はたとえけがが軽くても、必ず付き添うようにしましょう。
警察への連絡も忘れないでください。加害者は人身事故を起こしたことについて警察へ届出する義務があります。自賠責保険の請求の際には、交通事故を起こしたことを証明する「交通事故証明書」が必要となりますので、必ず警察に連絡して発行してもらうようにしましょう。
被害者との連絡先交換も行ってください。それらの手続きをすべて済ましたら、保険会社に連絡しましょう。慌てず騒がず、落ち着いて対処することが重要です。
Q12もし事故に有ったらどうすればいいの?
交通事故に有ったら、まずは警察に連絡しましょう。「軽い事故だったから……」と油断していると、後で体に異変が発生したとき困ることになります。必ず警察に届け出るようにしましょう。
加害者の確認も併せて行います。加害者の氏名、住所、連絡先、自賠責保険と任意保険の保険会社、自動車ナンバープレートは確認しておきましょう。
事故の目撃者も探しておきましょう。目撃者の証言は、加害者と被害者どちらに責任があるかを決める重要な証拠となります。また、病院には必ず加害者と一緒に行きましょう。
Q13もし相手が自賠責保険に入っていなかったらどうなるの?
政府保障事業という事業があります。これは自賠責保険の対象とならない事故にあった被害者に対して、法定限度額の範囲で政府が損害を補償する制度です。仕組みとしてはまず政府が被害者に対して補償を行い、そのうえで政府は加害者に対して損害賠償を請求します。
ただし、被害者と加害者の間で示談が成立した場合、被害者に100%過失がある場合などは政府保証事業の対象とならないので注意しましょう。
Q14自賠責保険の支払いに不服がある場合は?
自賠責保険の支払内容に疑問がある場合は、損害保険会社に対して異議申し立てを行うことが出来ます。異議申し立ての詳しい内容について知りたい場合は、各損害保険会社に相談してください。
Q15自賠責保険に時効はあるの?
加害者の場合は被害者に賠償金を支払った日から3年、被害者の場合は事故が発生してから3年となります。ただし、平成22年3月31日以前の事故については、すべて3年ではなく2年となります。
Q16自賠責保険はどうやって請求するの?
請求には加害者が請求するものと、被害者が請求するものがあります。
加害者が請求する場合は、まずは被害者に対して損害賠償金を支払ったうえで、保険会社に対して保険金の請求を行います。
被害者が請求する場合は、加害者の加入している保険会社に対して保険金の請求を行います。
Q17乗用車以外の自動車も自賠責保険に入らなければいけないの?
自賠責保険は人身事故の被害者を救済するために、すべての自動車に加入が義務付けられています。そのため普通車だけでなく、トラックも軽自動車も二輪車も原動機付自転車も、必ず加入しなければなりません。
Q18ひき逃げにあって犯人が特定されない場合にはどうすればいいの?
事故の被害者は政府に対して請求をすることが出来ます。
Q19自賠責保険の支払いについて、紛争が起こった場合は?
自賠責保険の支払いについて納得がいかなかった場合は、一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構に紛争処理を依頼することが出来ます。公正かつ中立な立場から自動車事故の紛争を解決するための弁護士や医師などが多数在籍しています。
また、日本弁護士連合会は日弁連交通事故相談センターを設置しています。これは全国に開設されている自賠責保険に関する相談機関で、和解のあっせんも行っています。
Q20自賠責共済とは?
自賠責保険では保険会社がその処理を行いますが、自賠責共済では共済組合がその処理を行います。その補償内容や保険料などはすべて自賠責保険と同じです。