ただし、通常の場合と比べて必要な書類が増えますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
Q1 住民票が移ったら
引っ越しや転勤などで住民票を移した場合、引っ越し先の運輸支局で廃車手続を行うことが出来ます。もちろん、引っ越し前の運輸支局で手続を行うことも可能です。
たとえば、自動車に品川ナンバーが付いていて、しかし現在は札幌に住んでいるという場合には、わざわざ東京に帰らずに札幌で廃車手続を行うことが可能です(東京でもできます)。
ただし、これには条件があります。それは住民票を移動していること。先の例では住民票を札幌に移していなかった場合は、札幌で廃車手続を行うことはできません。正式な引っ越しでなく、一時的な転居や居候などの場合にも、必ず住民票を移して、その住所に確かに住んでいるという証明をもらうようにしましょう。
他県ナンバーの廃車に必要な書類
他県ナンバーの廃車も基本的には通常の方法と変わりありませんが、通常の書類のほかに、以下の書類が必要となります。
Q2 1回だけ住所が変わった場合
1回だけ住所が変わった場合には、住民票を用意する必要があります。先の例では、札幌の住民票を市役所からもらってくる必要があります。ただし、住民票を用意するのが難しいという場合には公共料金の領収書などでもOKとなる場合があります。詳しくは運輸支局にお問い合わせください。このあたりの判断は運輸支局によって異なりますので、事前に確認押しておく方がいいでしょう。
Q3 住民票には何が書いてあるのか
住民票には以下のことが書いてあります。
(1) 氏名
(2) 生年月日
(3) 性別
(4) 世帯主の氏名及び世帯主との続柄
(5) 戸籍の表示
(6) 住民となった年月日
(7) 住所及び転居したものについては、その住所を定めた年月日
(8) 届出の年月日及び従前の住所
県外ナンバーの廃車の場合に注目されるのは(7)です。住民票をもらったら、一度チェックするようにしましょう。
Q4 住民票の請求方法
住民票の交付請求の方法は大きく分けて以下の3通りです。
Q5 窓口申請
市役所や市の出張所、行政サービスセンターなどに出向いて住民票を受け取ります。基本的に平日の昼間にしか行うことが出来ないので、平日に時間がある学生や専業主婦向けです。
Q6 郵送申請
郵送で申請して、住民票を送ってもらいます。窓口申請と違って平日に時間がなくてもできますが、書類に不備があった場合などには住民票を送ってもらえないため時間がかかります。
Q7 電子申請
市役所のホームページにアクセスし、電子申請・届出のシステムから申請します。24時間365日時間を問わずに行うことが出来るため、平日に時間がなくてもできます。ただし、ある程度インターネットに関するスキルがなければできません。
コンビニで住民票を発行できることもあります。住基カードを利用すれば、セブンイレブンやファミリーマートなどの大手コンビニで住民票の発行を受けることが出来ます。
コンビニは基本的に24時間営業なので、深夜にも発行が可能です。市区町村外でも発行が出来ますので、たとえば他の地域に勤めている場合は、会社のある地域のコンビニでも申請することが出来ます。
申請には端末を使うため、個人情報は保護されています。専用のネットワークとSSL通信により、個人情報漏れを防ぎます。
ちなみに、コンビニでは住民票以外の証明書(「印鑑登録証明書」「住民票記載事項証明書」「戸籍証明書」「戸籍附票の写し」など)を受け取ることも可能です。印鑑登録証明書などは廃車手続の際にも必要となるのでぜひ活用してください。
Q8 2回以上住所が変わった場合
住所が2回以上変わっている場合には、住民票ではなく戸籍の附票を用意する必要があります。
ただし、2回以上住所が変わっていても、その都度住所を変更していた場合は住民票でOKです。
たとえば、横浜→静岡→名古屋と住所を変えた場合、一度静岡に住所変更をして、それから名古屋に住所変更をした場合は住民票でOKです。静岡への住所変更を行わず、いきなり横浜から名古屋に住所変更をした場合には戸籍の附票が必要となります。
戸籍附票には何が書いてあるのか
住民票と比べると知名度低い戸籍の附票。これは住所の移転履歴について記録してある書類です。本籍地がある市役所のみで発行してもらうことができます。
住民票は住所や世帯構成について記録した書類です。一方、戸籍とは出生や死亡などについて記録した書類です。戸籍附表はこの二つの書類の中間に位置するもので、住民票と戸籍に記されている情報を移転履歴によりつなぎます。
戸籍附表では住所の移動歴がすべて確認できるため、何回も引っ越している人はなじみが深いかもしれません。車の名義変更の際によく使われる書類です。
Q9 戸籍の附票の請求方法
戸籍の附票の請求方法は自治体によって異なります。
Q10 窓口申請
もっとも一般的な申請方法です。市役所やその出張所などに向かって手続きを行います。
代理人が申請することも可能ですが、その場合は本人が作成した委任状が必要となります。平日の昼間にしか行えないので、その時間帯に時間が取れる学生や専業主婦向けです。
Q11 郵送申請
郵送で申請して、戸籍の附票を送ってもらいます。窓口申請と違って平日に時間がなくてもできますが、書類に不備があった場合などには戸籍の附票を送ってもらえないため時間がかかります。
Q12 電話申請
自治体によっては電話での予約を受け付けていることがあります。たとえば、相模原市の場合は平日の昼間に電話での申請を受けて、その後休日に決まった場所で公布するという形をとっています。
Q13 電子申請
一部の自治体は電子申請による交付申請を認めています。24時間365日、いつでも受け付けているので平日の昼間働いている人向けです。
Q14 移転抹消
必要な書類さえ揃えてしまえば、あとは通常の手続きと大体同様の方法で廃車を進めることが出来ます。
この手続きを「移転抹消」といいます。移転登録(住所の変更)をしてから抹消登録(廃車)をするので、移転抹消というわけですね。
移転抹消は住所が変わった場合のみならず、名義人が変更になった場合も行われます。
手続に必要な書類は以下の通りです。
住所変更手続きに必要なOCRノート
手数料(300円程度)
住民票または戸籍の附票
これに加えて一時抹消登録、および永久抹消登録で必要な書類を用意して下さい。
一時抹消登録と永久抹消登録はここでは詳しく説明しませんが、簡単に言えばまだ使えるがしばらくの期間使う気がない自動車を一時的に廃車にするのが一時抹消登録、もう二度と使わなくなった自動車を永久的に廃車にするのが永久抹消登録だと思って差し支えないでしょう。
Q15 県外ナンバーの登録
さて、県外ナンバーの自動車を廃車にする際の手続きは以上になりますが、これはあくまで廃車の時点まで登録を怠っていた場合のケースです。もし引っ越した直後に運輸支局に行って新しい住所を登録していれば、このような面倒な作業をする必要はありません。一番いいのは廃車寸前になってから慌てることではなく、引っ越しを行った時点で手続きを済ませておくことであるといえます。
Q16廃車でわからないことがあったら
まずは運輸支局に相談してみましょう。それでもわからなければ、業者などに依頼するのが一番確実です。
多少お金はかかりますが、面倒な作業をアウトソージングできると思えば決して高いとまでは言えないはずです。