Q1 自動車リサイクル券とは
自動車リサイクル券についてお話しする前に、まずは自動車リサイクル法について解説したいと思います。自動車リサイクル法とはごみを削減し、資源を有効に活用するために、自動車メーカー、関連事業者、自動車の所有者などの役割を定めた法律です。
自動車の所有者はリサイクル料金を支払い、自治体に登録されている引き取り業者に廃車を依頼することによって、地球環境の保全に貢献することが定められています。リサイクル料金は廃車にする際に初めて有効となり、廃車以外の処分方法(転売など)を行った場合はリサイクル金が戻ってきます。その場合は新しいオーナーが再びリサイクル料金を払うことになります。
このリサイクル料金は、自動車を購入する時点で否応なく支払わされます。この自動車リサイクル料金を支払ったことを証明する文書が、自動車リサイクル券です。
自動車リサイクル券はその正式名称を「預託証明書」といいます。自動車リサイクル券はA~D券の4種類からなっています。具体的な分類は以下の通りです。
Q2 A券
リサイクル料金を自動車の所有者が確かに支払ったことを公益財団法人自動車リサイクル促進センターが証明する書面です。
Q3 B券
当該自動車が使用済みになった際に、引き取り業者が所有者に対して渡す書面です。
Q4 C券
公益財団法人自動車リサイクル促進センターが確かに自動車リサイクル料金を受け取ったことを証明する書面です。
Q5 D券
事業者などが自動車ユーザーにリサイクル料金額を通知する際に必要な書面です。
このうちA券とB券は自動車の所有者が管理・保存する義務があります。車検証と一緒に保管しておきましょう。
Q6 自動車リサイクル料金の具体的な払方
まずは運輸支局・軽自動車検査協会に行きましょう。そこに、コンビニでよく見られるような人の腰の多寡さくらいまである大きな端末が置いてあります。
この端末が「リサイクル券専用端末機」です。これを使ってリサイクル券を発行します。操作はタッチパネルで感覚的に行えるので特に問題ないでしょう。どうしても操作方法が分からないという場合には、最寄りの窓口で相談してください。
なお、入力に当たっては車の登録番号や車体番号が必要となることがありますので、車検証を持参しましょう。すべてを入力するとリサイクル券が発行されます。
リサイクル券を発行したらそれをもってリサイクル料金の支払窓口平気、リサイクル券と車検証を提出して所定の金額を支払います。
すると車検証とリサイクル券に証明印を押してもらうことが出来ます。これがリサイクル料金を確かに支払ったという証拠になります。これらの書類はとても大切なものであるので、亡くさないように自動車内に保管しておきましょう。
Q7 自動車リサイクル料金はいくら?
自動車リサイクル料金は自動車の車種やメーカーなどによって異なります。一般的な車両の場合8000円~1万8000円程度です。自動車リサイクルシステムのホームページで具体的な料金を確認することが出来ます。
リサイクル料金はシュレッダーダストやエアバッグ類のリサイクルに使われます。シュレッダーダストとは自動車を解体する際に発生する小さな屑で、有用なガスなどにリサイクルされます。
Q8 自動車リサイクル券が必要となるケースは?
自動車の譲渡・転売時
自動車を他者に譲ったり販売したりする場合は、自動車の解体を行わないので自動車リサイクル料金は発生しません。しかし、自動車を購入した時点で自動車リサイクル料金は払ってしまっていますので、それを返してもらう必要があります。
新車の購入時に支払った自動車リサイクル料金は、新しい所有者からリサイクル券と引き換えに返してもらうことが出来ます。たとえば、AがBに自動車を転売する場合、AはBからリサイクル料金を受け取り、それと引き換えにBはAからリサイクル券を受け取ります。
この流れにより前の所有者Aはリサイクル料金を取り戻すことが出来、また新しい所有者Bはリサイクル券を手に入れることが出来ます。
この新しい所有者Bがさらに別のユーザーCに転売した場合は、そのユーザーCからリサイクル料金をもらい、それと引き換えにCにリサイクル券を渡す必要があります。
こうしてリサイクル券はどんどん新しいオーナーへと渡っていき、最終的に廃車にすることを決めたオーナーが実質的にリサイクル料金を負担することになります。
自動車の廃車時
自動車を廃車にする場合には、専門の解体業者で解体をしてもらう必要があります。この解体は環境に対して負荷をかけるものですので、そのユーザーが自動車リサイクル料金を負担する必要があります。と言っても、自動車リサイクル料金はすでに新車購入時に徴収されていますから、解体時に新たにお金を出す必要はありません。ただし、解体時にリサイクル料金が戻ってくることもありません。
自動車リサイクル券の再発行
自動車リサイクル券は紙でできていますので、なくしたり汚してしまったりするリスクがあります。自動車リサイクル券を汚損・紛失してしまったときは、再発行が出来ます。再発行場所は所轄の運輸支局、自動車検査登録事務所です。軽自動車の場合は軽自動車検査協会です。
運輸支局や軽自動車検査協会に行くと、コンビニでよく見られるような人の腰の多寡さくらいまである大きな端末が置いてあります。この端末が「リサイクル券専用端末機」です。再発行の際には車両情報が必要となるため、車検証を持っていくようにしましょう。また、自動車を購入したディーラーでも再発行ができることがあります。ただしこちらの方法では代行費が発生しますので、どちらに行っても同じだと思う方は運輸支局や軽自動車検査協会まで言った方がいいでしょう。
Q9 自動車リサイクル券を紛失するとどのような問題があるの?
実際のところ、これといった問題は特にありません。もし自動車を転売する際に自動車リサイクル券が必要となったら、「自動車リサイクル料金の預託状況」を自動車リサイクルシステムHP内から印刷すればそれがリサイクル券の代わりになるので問題ありません。もちろん運輸支局や軽自動車検査協会で再発行してもOKです。
また、廃車の際に自動車リサイクル券がないという場合も、やはり「自動車リサイクル料金の預託状況」で代替できるので、やはり問題ありません。
Q10 自動車リサイクルQ&A
Q1自分の自動車がリサイクル料金を支払ったかわからないのだが、どうすればよいか
A1
自動車リサイクルシステムのホームページから、リサイクル料金の照会が出来ます。紹介できる時間帯は午前7時から午前0時までで、紹介の際には車検証が必要となります。
Q2中古車を買う場合、リサイクル料金が支払い済みか確認する手立てはあるか
A2
リサイクル券がついて来れば、リサイクル料金は支払済みなので問題ありません。リサイクル券が付いていないという場合には、自動車リサイクルシステムのホームページから、リサイクル料金の照会が出来ます。紹介できる時間帯は午前7時から午前0時までで、紹介の際には車検証が必要となります。
Q3廃車にすると自動車重量税の還付があるのか
A3
自動車を永久抹消登録する場合、車検の残存期間に応じて自動車重量税の還付を受けることが出来ます。申請は運輸支局で行います。
Q4自動車リサイクル法の歴史は?
A4
かつては自動車は解体業者などの判断によりリサイクル・処理が行われていましたが、シュレッダーダストを埋め立てる処分場がひっ迫してきたとこ、不法投棄のリスクが高まったことから、自動車リサイクル法が作られました。自動車リサイクル法は2005年より施行されています。