Q1 事故車
事故車とは広義には事故を起こしたすべての自動車のことを指します。
また、事故車のうち「交通事故やその他の災害により、自動車の骨格等に欠陥を生じたもの、またはその修復歴のあるもの」と規定されています。要するに車の骨格となる部位に故障があり、そこを修復したものが修復歴車です。
事故を起こしただけならばその自動車の買取価格が極端に下がることはないですが、修復歴車の買取価格は一般的に普通の自動車と比べると下がることが多いです。自動車刃金属でできており、一見頑丈に見えますが実際は非常にデリケートな乗り物であり、一度フレームがゆがんだりしてしまうと、たとえ修復しても完全に元には戻らないと考える人は多いのです。
そのため通常の中古車買取業者は修復歴車の買取はしてくれないことが多いのですが、廃車買取業者ならば買い取ってくれることも多いです。
買い取られた自動車はそのまま国内や海外で売られたり、部品を取り外されて売られたり、あるいはスクラップにされて金属資源として再利用されたりします。
特に高く売れるのは、海外での需要が高い自動車です。海外の人は日本の人ほど修復歴や事故歴を気にしません。事故を起こしていようがなんだろうが、きちんと走ってくれれば問題ない考えます。非常に合理的な精神といえます。また、年式が新しい自動車も即スクラップにするのはもったいないという理由で、割と高い値段が付くことが多いです。また、事故車はパーツに価値があることが多いので、最新型のモデルは高く売れることが多いです。
Q2 事故車を高く売るコツ
まずは必ず複数の買取業者に見積もりを依頼しましょう。業者ごとに見積もり価格はまちまちだと思いますが、そこで一番高い値段をつけてくれた業者が必ずしも一番いい業者であるとは限らないので注意が必要です。業者の名前をインターネットで検索するなどして、その業者が本当に信頼できるものなのかチェックしましょう。
また、見積もりの際には必ず事故車であることを告げましょう。業者は査定のプロなので、見積もりの段階で誤魔化せたとしても実際に実物を見ればその自動車が事故車であるかどうかは分かってしまいます。にもかかわらず黙っていると、業者側から不信感を持たれてしまいます。最初から素直に事故車であることを告げておいた方が、そのあとの交渉事もスムーズに進むと思います。
Q3 水没車とは
日本には毎年のように台風がやってきます。
大雨が降れば洪水が起き、河川は氾濫し、そのそばに止めてあった自動車は水没してしまいます。このような水没してしまった自動車を水没車といいます。
まずは水没車の取り扱い方についてですが、水没してしまった自動車には近寄ってはいけません。バッテリーの電気で感電する危険性があります。
水は自動車の大敵です。水没直後に自動車がいきなり動かなくなるとは限りませんが、マフラーが水没したことにより排気が出来なくなり、次第にエンジンが劣化していきます。最終的にはエンストを起こし、動かなくなってしまいます。
Q4 水没車は廃車にするか、修理するか
水没車は修理して再び使うこともできますが、廃車買取に出して新しい自動車を買った方が経済的なケースもあります。その判断材料は以下の通りです。
Q5 水没車の年式
その自動車が新しい場合には、修理をしながら乗ってもいいでしょう。しかし、その自動車が十分に古い場合には、もう価格分の元はとったということで、廃車にしてしまった方がお得なケースが多いです。
Q6 修理費用
修理費用は故障の種類によって変わってきますが、目安としてはシートの下までの水没の場合は25万円程度、シートの上までの水没の場合は50万円程度といわれています。ただし、電気系統の部品交換が必要になった場合には100万円以上の費用が掛かることも珍しくありません。
これほどの大金を支払っても修理して再び乗る価値があると思えれば修理をしましょう。そうでない場合には安値でもいいので廃車買取業者に引き取ってもらった方が賢明です。
Q7 保険会社の保証
水没に対する保証がある保険に入っていれば、修理費用の一部または全部を肩代わりしてもらうことが出来ます。ただし、保険金は無制限でもらえるわけではなく上限があります。
たとえば、修理費用が100万円で保険金の上限が80万円だった場合、差額の20万円は自分で支払うことになります。
この20万を支払っても再び水没車に乗る価値があるのか、よく考えてみましょう。特に水没車は中古車市場では高い値が付きにくいので注意が必要です。そこまでして乗る価値がないと思うならば、なるべく早く廃車買取業者に引き取ってもらった方がいいでしょう。
Q8 水没車の市場価値は?
水没車の市場価値は一般的に修復歴車以下といわれています。水没車には冠水歴というものが残ってしまいますが、この冠水歴がある自動車は修復歴がある自動車よりも避けられがちです。
そのため、よほどその自動車に対して強い愛情を抱いている場合を除いては、さっさと廃車にしてしまった方がお得だと思います。
どうせ修理しながら乗り続けても価値は落ちていく一方なのですから、それならばすこしでも価値が高いうちに廃車買取業者に引き取ってもらった方が合理的であるといえるでしょう。
Q9 被災車
2011年3月に発生した東日本大震災では多くの人が犠牲となりましたが、それと同時に自動車にも甚大な被害が出ました。また、平成26年に日本各地を襲った大雪でも多くの自動車が被災しました。このような自動車を「被災車」といいます。
被災車の扱いというのは大変悲惨です。津波で水没した自動車は波に揺さぶられてボロボロ、大雪で潰れかけた自動車はもはやスクラップ寸前。こんな自動車を乗り続ける意味は、もはやどこにもないと思います。そんなときに頼りになるのが廃車買取業者です。
廃車買取業者は被災した自動車にもそれなりの値段をつけてくれます。先の東日本大震災では何十万台という自動車が水没しましたが、地元の廃車買取業者はなるべく値段をつけてその自動車を買い取りました。
被災車の場合は事故車と違って修理しなおして使うというのは大変難しく、パーツもボロボロであることが多いので、基本的にはスクラップにして金属資源として他の業者に売ることになります。そのため事故車や修復歴車ほどの値段はつかないことが多いのですが、それでも廃車の際にお金を取られるよりはずっと良いでしょう。
ちなみに、我々は経験から被災車というとどうしても津波で流された自動車を思い浮かべてしまいがちですが、実際には大雪や台風、土砂災害などに巻き込まれた自動車も被災車として扱われます。要するに何らかの自然災害に巻き込まれた自動車はすべて被災車というわけです。
Q10 被災車の処理方針
宮城県が被災自動車の取り扱いのガイドラインを発表しています。ガイドラインによれば、災害廃棄物の処理は原則的にはその市町村が行うことになっているのですが、被害が甚大で市町村での処理が困難な場合には県が地方自治法 252 条の 14 の規定に基づく事務の委託により,県が自動車の処理を行うことが出来るようになりました。
この処理方針により、少しでも多くの被災車が適切に処理されることを願っています。