世の中には数多くの廃車買取業者があります。
かれらはもうとっくに動かなくなって価値がなくなった自動車にも、ある程度の値段をつけてくれます。
値段は業者や車種によってまちまちですが、高い時は10万円以上の値段が付くこともあります。
しかし、一見ただの鉄の塊と化してしまった自動車を買い取ることに何のメリットがあるのでしょうか。
Q1 解体してパーツとして販売する
自動車にはサスペンションやライトなどのパーツがあります。こうしたパーツは車のフレームやエンジンがダメになってしまっても、それとは関係なく価値があります。たとえば、エンジンが故障して動かなくなってしまった自動車でも、ライトが無事ならばそのライトには価値があることになります。
動かない原因となった場所以外のパーツを取り外して売れば、かなりの価格になります。
Q2 資源として利用する
近年は中国や東南アジア諸国、ロシアなどの急激な経済成長により、世界の金属需要が増加しています。それに伴い金属の価格も高騰しており、世界で慢性的な金属不足が起こっています。よくテレビでマンホールのふたなどを盗んだ泥棒の話題が出てきますが、あれも金属の価格高騰に目を付けた人間の犯行であると思われます。
もう完全に動かなくなってしまって、しかもパーツの価値もない自動車でも、スクラップにすれば鉄の塊としての価値が生まれることになります。
Q3 海外に販売する
日本国内では事故車、修復歴車、水没車などは人気がありません。修復歴車はともかくちょっとこすってしまった程度の事故車は今後も問題なく使えるはずなのですが、縁起が悪いという理由で事故車を避ける人は決して少なくありません。
しかし、海外では日本車への信頼度も高く、事故車や修復歴車も高く売れます。高額買取を標榜する廃車買取業者は、独自の海外ルートを持っており、国内で廃車を買い取ってそれを海外に売るというビジネスを確立しています。
Q4 廃車になった自動車はどうなるか
廃車になった自動車は、まず中古車としての価値があるかどうかの判断を受けます。もしここで中古車としての価値があると判断された場合には、国内や海外で中古車として販売することになります。
もし仮に自動車としての価値が残存していないと判断された場合は、部品の価値診断を行います。もし仮に部品に価値があると判断されたら、それを取り外して国内や海外に販売します。
部品としての価値もない場合には、スクラップにして再資源化します。
Q5 廃車にはどれくらいの価値があるか
もし仮に部品やパーツに価値が残っており、なおかつ金属資源としての価値も高い場合には、10万円以上の買取額が付くことも決して珍しいことではありません。
廃車を引き取るための諸経費などを差し引いても、8万円程度が手元に残ることになります。それに加えて廃車の際には自動車税や自動車重量税、自賠責保険の還付が受けられますので、合計で10万円以上のお金が手元に戻ってくることも珍しくありません。
Q6 廃車を高く買い取ってくれる業者を探す方法
現在、インターネット上には廃車見積もりの無料サービスがたくさんあります。自動車の年式や車種などを入力するだけで、複数の廃車買取業者から見積もりを受け取ることが出来ます。
こうしたサービスを利用する際に注意してほしいのですが、「買い取り金額が高い業者が必ずしもいい業者とは限らない」ということは念頭に置いておく必要があります。
たとえば、業者Aが5万円、業者Bが8万円、業者Cが3万円の値段を付けたとしましょう。この場合、一見業者Bが消費者にとって一番良い業者に見えるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
廃車買取業者の中には、たとえば客に対して自動車重量税の還付金があるという話をせずに、代わりにこっそり受け取ってしまうような悪質な業者もあるそうです。客側の無知に付け込んだ悪質な例といえます。また、最初に高めの見積もりを行っておいて、実際の現車下見で見積もりよりも大分低い値段をつけ、しかも見積もり出張サービス料という名目で代金を請求するという業者もあります。
こうした悪徳業者に引っかからないようにするためには、事前の情報収集が欠かせません。幸いインターネットに情報があふれている現在では、業者の悪評は簡単に探すことが出来ます。まずは依頼しようとしている業者名でネット検索し、その業者が信頼に足るところなのかをチェックするようにしましょう。
Q7 買取価格が0円だったら
廃車買取業者に買取を依頼したところ、価格が付かなかった。その場合はそのまま業者に廃車にしてもらった方が、自分で廃車にするよりもメリットが大きいです。
買取業者に廃車手続をしてもらうことの一番のメリットは、なんといっても自分で面倒な廃車手続をする必要がないこと。廃車手続を自分で行うとなったら、当然運輸支局に行かなければなりません。
運輸支局は平日の昼間にしかやっていませんから、勤め人や自営業者にとってはかなり難しい話です。また、廃車手続に関する書類はかなり数が多く記入の仕方も複雑なので、素人がいきなり書き上げようとするのは至難の業です。もし苦労して書き終えたとしても、不備があれば最初からやり直しです。
業者に依頼すれば、このような面倒な手続きをしないで済みます。たとえ金額が付かなかったとしても、廃車手続の代行をしてくれることには変わりがありません。たとえ自分で廃車手続をするにせよ、解体業者はまた別に探さなければならないのですから、それならば最初から廃車買取業者に手続きを依頼した方が手間もかからず良いでしょう。
Q8 廃車にかかる時間
廃車買取の際には、一般的には以下のような手続きを踏みます。
見積もり依頼
査定
引き取り
解体
手続
自動車税の還付
これらの手続きを完ぺきに終えるまでには、大体数週間程度の日にちがかかります。特に見積もり~査定の段階においては人によってはかなりの時間がかかるため、注意が必要です。
自動車税は4月1日時点での自動車所有者に対してかかってくるため、見積もり依頼を出したのが3月でも手続き終了が4月になってしまった場合などは、1年分余計に自動車税を払わなければならないことになってしまいます。そのようなことがないように、手続はなるべく早めに済ませるようにしましょう。
Q9 廃車業者の選び方
廃車買取業者や手続代行や車両の解体を行ってくれますが、一部の悪徳業者は廃車手続を行わないままその自動車を放置するケースがあるようです。
廃車手続が完了しないと自動車税の支払い義務もなくなりませんし、そのほかにもいろいろと問題が発生します。こうした業者に引っかからないようにするためにも、廃車買取業者に依頼する際には以下の点をチェックしておきましょう。
Q10 抹消登録証明書の開示はあるか
廃車手続が終了すると、運輸支局は抹消登録証明書を発行します。この書類は廃車が終了したならば必ず受け取れるものですので、業者が本当に廃車手続を終了してくれたのかが不安である場合には、必ず抹消登録証明書の提示を受けましょう。
Q11 還付金についての説明はあるか
廃車の際には自動車税、自動車重量税、自賠責保険などの還付があります。廃車手続代行の際にこの金額をごまかされることがないように、引き取りの際に還付金の有無と金額についてはきちんと確認しておきましょう。