Q1 車検切れとは何か
車検とは「道路運送車両法」の「保安基準」に適合しているかどうかの車両検査のことを指します。自分で陸運支局に持ち込んで受ける車検は「ユーザー車検」と呼ばれることがありますが、一般的にはカーディーラーや車検場の車検がいわゆる「車検」として取られていることが多いようです。
車検はあくまでも検査時点での自動車のコンディションが基準に適合しているかを調べるものですので、その後の安全性などについては一切保証されません。あくまでも検査の時点でのコンディションが保証されるだけです。
車検は通常2年に1回行われます。費用がかなり掛かるので車検を忌避する人も多いようですが、車検は車の見えない部分が消耗していないか、エンジンやブレーキなどがしっかりと働くかを見極める大切なチェックですので、必ず受けるようにしましょう。
Q2 車検切れの自動車を車検に通すには
車検切れの自動車は公道を走ることはできませんが、所定の手続きを経ることにより車検を通すことはできます。ユーザー車検の場合は、まずは公道を走るための仮ナンバーを取得しましょう。仮ナンバーは市区町村役所で受け取ることが出来ます。
仮ナンバーとは「自動車臨時運行許可番号標」とも呼ばれる特殊ナンバープレートで、プレートに赤の斜線が一本入っているのが特徴です。
自分で陸運支局や車検場に自動車を持ち込む場合には、この仮ナンバーの取得が必要不可欠となります。
もし仮ナンバーのない車検切れの自動車を運転していることがばれたら、違反点数6点、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金となります。
自賠責保険が切れている場合はさらに罪が重くなりますので、絶対にやってはいけません。
仮ナンバーを取得したら法定点検項目を整備し、車両を陸運支局にもっていって検査を受けましょう。検査が終われば新しい車検証が取得できます。
また、業者に依頼する場合は車検切れであることを伝えてから引き取りに来てもらえばOKです。世の中には車検切れOKの業者がたくさんありますので、一度ネット上で検索してみるといいでしょう。
Q3 車検切れの自動車を廃車にするには
車検切れの自動車を廃車にする場合、まずは解体が必要となります。しかし、前述のとおり車検切れの自動車は公道を走ることが出来ないため、業者に引き取りを依頼するか、仮ナンバーの発行をする必要があります。業者に依頼すると1万円以上の費用が掛かることもあるので、基本的には仮ナンバーの発行をお薦めします。仮ナンバーを発行したら、解体業者に持ち込んで解体してもらいましょう。
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解体が終わったら運輸支局で廃車の手続きを行うことになります。廃車手続を行う際には必要な書類がたくさんありますので、必ず事前にチェックしておきましょう。
なお、自動車を廃車にする場合は再度車検に通す必要はないため、自動車税の納税義務はありません。
Q4 車検切れの自動車を売却するには
車検切れの自動車でも売却することは可能です。ただし、前述のとおり車検切れの自動車は公道を走れないので、自宅まで買取業者に受け取りに来てもらう必要があります。
売却金額に関しては車検のあるなしでそれほど大きな差は出ないようです。もちろん、車検が残っている自動車の方が車検の残っていない自動車より高く売れることは間違いないのですが、だからと言って売却額を上げるためにもう一度車検を通してから売る、というのは本末転倒であるといえます。車検費用は一般的に10万円ぐらいかかりますが、車検を通したからと言って10万円以上売却額がアップすることはほぼありません。
なお、車検切れの車に限ったことではありませんが、売却の前には自動車の内部を掃除しておく、洗車をするなどして、少しでも高く売れるように工夫をしましょう。ただし、傷やへこみなどの修理はしなくても構いません。たとえ傷やへこみを修理したとしても、その費用以上に査定額がアップすることはまずないからです。
また、売却の際には必ず複数の業者に見積もりを依頼するようにしましょう。おすすめは1回の入力で数社からの見積もりが届くオンラインの一括以来サービスです。一度の入力で複数の業者から見積もりがもらえるため、とても楽です。
Q5 自賠責保険とは何か
自賠責保険とは、自動車や二輪車に加入が強制されている保険です。いわゆる強制保険の1種であり、事故が起こったときに被害者を保護する保険です。自賠責保険に入っていれば、最低限の補償を受け取ることが出来、被害者はもとより加害者の負担軽減にもつながります。
補償の対象は対人のみであり、対物保証はありません。また、被害者1名ごとの支払限度額が決まっており、たとえば複数の死傷者を出した大事故の賠償などはこの自賠責保険だけでは賄えないことがあります。そのため、現代においては自賠責保険のほかに各保険会社が販売している任意保険にも入るのが一般的になっています。
もし自賠責保険に入っていないと罰則があります。正確にいうと、自賠責保険に入っていたとしても、自賠責保険証明書を所持していないと罰則があります。
自賠責保険に未加入だった場合、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科されます。また、証明書不携帯であった場合には30万円以下の罰金が科されます。
自賠責保険の保険料は一律ですが、基本的には長期加入にするほど1カ月当たりの費用は安くなります。また、永久抹消登録、一時抹消登録の場合は還付金が戻ってきます。最近は交通事故の減少によって保険料支払い額が下がったことから、保険料も安くなってきています。
Q6 自賠責保険の支払い方法
自賠責保険に加入するには、損害保険会社に連絡する必要があります。自賠責保険の金額は保険会社によって変わることはないのでどこを選んでも同じような気がしますが、任意保険の金額は会社ごとに様々です。できることならば自賠責保険と任意保険を同じ会社にまとめてしまった方が楽だと思いますので、入りたい任意保険決めてから、その任意保険を取り扱っている損害保険会社の自賠責保険に入るようにするといいでしょう。
また、最近は損害保険会社だけでなく、自動車やバイクの販売店、あるいはコンビニからの加入もできるようになっています。必要な書類は車検証と自賠責保険証明書です。必要な書類をすべてそろえてから、手続に向かうようにしましょう。
Q7 自賠責保険と廃車
自賠責保険の残っている自動車を廃車にした場合、その保険の残り期間に応じて還付金が戻ってきます(保険期間が1か月未満の場合はなし)。還付の手続きは保険会社にお問い合わせください。
なお、自賠責保険が切れている自動車でも廃車にすることは可能です。ただし、自賠責保険が切れている自動車では公道を走ることが出来ません。もし自賠責保険未加入の自動車で公道を走ると6点の減点+30日の免許停止+1年以下の懲役または50万円以下の罰金の刑事罰となり、前科持ちになってしまいますので絶対にやめましょう。
自賠責保険切れの自動車を廃車に場合はもう一度自賠責保険に入りなおして自分の手で解体業者に持ち込むか、あるいは解体業者に依頼してレッカー移動してもらう必要があります。どちらがより安いかは状況によりますが、基本的には自賠責保険に入りなおした方がリーズナブルであることが多いようです。ただ、手続が面倒だという場合には引き取りに来てもらった方がいいかもしれません。
Q8 自賠責保険切れの自動車を売却するには
自賠責保険が切れた自動車は廃車にするのではなく、買取を依頼することも可能です。
ただしこの場合もやはり公道を走ることはできないため、もう一度自賠責保険に入るか、レッカー車を依頼する必要があります。
また、自賠責保険が切れていたとしても査定額にそこまで大きな影響が出ることはありません。自賠責が残っていれば多少はプラスに働くこともありますが、ほとんど気にしなくていいレベルの差しかつきませんので、考慮する必要はありません。